主成分から見たシャンプーの種類と特徴
シャンプーは、主成分（洗浄成分）の違いで、
● 高級アルコール（石油）系シャンプー
● アミノ酸系シャンプー
● 石鹸系シャンプー
の3種類にタイプが分かれます。
それぞれにメリット・デメリットがありますので一度チェックしてみてください。
高級アルコール（石油）系シャンプーの特徴
高級アルコール系シャンプーとは、テレビCMで見かけたりドラッグストアやスーパーなど、どこでも販売している、もっとも一般的なシャンプーです。
「高級」とつくので印象が良いですが、これは質の高さではなく単に炭素数が高いことを表しており、炭素数が多いほど、洗浄力が強く泡立ちが良いのが特徴です。
広告宣伝が上手くユーザーには人気ですが、髪や頭皮にとってはデメリットの方が多いです。
その理由は、刺激が強く皮脂を取りすぎてしまうので頭皮に必要な皮脂まで全て取り除いてしまう部分です。また、成分のすすぎ残しがあると頭皮環境の悪化原因となってしまうので、しっかり洗い流す必要があります。
毎日使いつづけば、頭皮が炎症を起こしたり、皮脂が過剰に分泌されたりするなど、いろいろな頭皮トラブルが起こり抜け毛・脱毛症へとつながってしまいます。
●メリット
高級アルコール系シャンプーは、洗浄力が強く泡立ちが良いので洗い上がりがスッキリすることが特徴です。また香りがあるものや、コーティング成分でツルツル・サラサラになる商品が多いのもポイントです。
原料が安く大量生産が可能なことから値段も安く消費者にとって嬉しい部分です。
●デメリット
洗浄力が強く頭皮への刺激が強いため、頭皮の状態が悪い方や薄毛・抜け毛に悩んでいる方は使用を避けた方がいいでしょう。
また、シャンプーが残ると頭皮に悪影響を与えることがあるので、しっかり洗い流す必要があります。
シリコンなどのコーティング剤が配合されているためツルツ・サラサラと心地よく洗い上がりますが、コーティング剤は髪の傷みを治すものではなく、表面をカバーしてごまかしているだけです。さらに水にも溶けにくいので、頭皮や髪に残って刺激を与えてしまいます。
また、「ラウリル硫酸」 などの刺激性の高い成分を配合していることが多く、頭皮に必要な皮脂まで除去してしまうほど洗浄力が強いので頭皮がカサカサに乾燥したり、あるいは反動作用で皮脂が過剰に分泌されて、オイリー肌になってしまうことがあります。
育毛のことを考えるなら、高級アルコール系シャンプーは避けた方がいいでしょう。
●主成分
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ラウリル硫酸Na、ラウリル硫酸カリウム、スルホン酸Na、ラウリル硫酸アンモニウム、パレスー3硫酸アンモニウム
※「ラウリル」と「硫酸」がつく成分が含まれていれば高級アルコール系シャンプーと判断できます。
アミノ酸系シャンプーの特徴
アミノ酸系シャンプーは、洗浄成分（界面活性剤）にアミノ酸系成分を使用しており、スカルプ（頭皮）ケアシャンプーとしては最も人気の商品です。
過剰に皮脂を取りすぎず、頭皮や髪と同じ弱酸性のため刺激が少なく
頭皮と髪に優しいシャンプーです。
高級アルコール（石油）系シャンプーや石鹸系シャンプーに比べて洗浄力が弱いですが、それはアミノ酸系のシャンプーが頭皮に必要な皮脂を残している からです。
頭皮が傷んでいる方、皮脂が少なく乾燥している方におすすめです。
抜け毛・薄毛で悩んでいる方は頭皮に何らかの問題があることが多いので、低刺激のアミノ酸系シャンプーで清潔な頭皮環境を保つことをおすすめします。
●メリット
アミノ酸は、人間の体と同じ弱酸性のために刺激が弱く、肌の弱い方でも安心して使用できるのが特徴です。また髪や肌はタンパク質で構成されていますが、タンパク質は多数のアミノ酸が結びついて形成されているものなので、アミノ酸は髪や肌の素といってもいいでしょう。
また、外部の刺激から頭皮を守る役割をしている皮脂を過剰に洗浄し過ぎず、適度に潤いを残してくれるために頭皮にも非常に優しいです。
●デメリット
泡立ちは弱く洗浄力が低めのため、最初は物足りなさを感じるかもしれません。また、大量生産が難しいため値段も高めになっています。
●主成分
アシルグルタミン酸、ココイルタウリンNa、ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルアラニンNa
【注意】
「ココイル」や「コカミド」などがつく成分が含まれていればアミノ酸系シャンプーと言われていますが、コカミドプロピルベタイン（ラウラミドプロピルベタイン）はアミノ酸系ではありません。
また、主成分は高級アルコール系洗浄成分にもかかわらず、アミノ酸系の成分を少し配合して「アミノ酸系シャンプー」と表記しているシャンプーもあるのでご注意ください。
石鹸系シャンプーの特徴
石鹸系シャンプーは、石鹸がベースで主成分は脂肪酸カリウム（石けん）の弱アルカリ性です。
洗浄力は高級アルコール系シャンプーと同じく、必要な皮脂をとりすぎてしまうくらい強いですが、肌への刺激は弱いです。
通常の石鹸系シャンプーは、ほとんど「石けん素地」と「水」のみですが、ホホバオイルなどの天然オイルが含まれている商品もあります。
●メリット
石鹸系シャンプーはアルカリ性で高い洗浄力があることから、皮脂の多いオイリーな髪質の人、屋外で仕事やスポーツしたりして髪が汚れてしまう人向きのシャンプーです。また、環境にやさしいのも特徴です。
●デメリット
石鹸が頭皮や髪に残留しやすく泡立ちも悪いです。
皮脂も取りすぎてしまうので毎日シャンプーをする方には無添加の商品以外あまりおススメできません。
また、アルカリ性のため髪がゴワゴワときしみやすいので、髪を弱酸性に戻すためにアミノ酸系のリンスが必要になってきます。
●主成分
石けん素地、カリ石けん素地、脂肪酸ナトリウムなど
まとめ
シャンプーは基本的に毎日使うものですから、どんな育毛シャンプーを使用するかは非常に重要です。したがって頭皮に悪影響を及ぼす刺激の強いシャンプーなどはあまりおすすめできません。
特に抜け毛・薄毛で悩んでいる方は頭皮に問題がある事が多いので、低刺激のアミノ酸系シャンプーで正しく洗髪し、頭皮環境を清潔に保つことが大切です。
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